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センター長からのご挨拶

PBL(Project-Based Learning)は、大学教育のなかでもとくに注目を集めている学びの方法であります。多くの大学は、いまでは、教育のなかにPBLの手法を導入しています。PBLは、身近な社会の中から現代的な課題を発見し、その解決に向けた企画を立案して、それを具体的に実現していこうとする参加型の学びを推奨しています。しかも、PBLでは、一定の期間に、一定の目標を立てて、それを達成しなければなりません。そのために、PBLは、ひとびとがチームを組み協働して目的を果たすように、学びの共同体の構築を要請します。その意味で、PBLは、チームを主体とする協調的な学びに照準を定めています。同志社大学では、他の大学に先駆けて、PBLを積極的に正課の授業と課外の活動に導入し推進してきました。しかしながら、大学で行なうPBLにかんしては、成績を評価するための基準と方法、教室外で取りくむ学習の時間を測定するための方途、こうした課題の検討はかならずしも十分ではありません。PBLを推しすすめていくためには、これらの問題を吟味し、それに対処する方策を探査していく必要があります。それに加えて、PBLにたいする方法論的な検証を遂行し、その成果を広く社会に発信していかなければなりません。同志社大学では、本学の教育支援機構のなかに、PBLの理論的な研究と実際的な展開のための拠点として、「PBL推進支援センター」を2009年11月1日に設置いたしました。

いまさら言うまでもなく、社会のグローバル化はますます進んでいきます。大学も例外ではありません。その一方で、モラルハザードとかコンプライアンスの欠如とかが社会の問題として浮上しています。それでは、わたくしたちは、さまざまなできごとの影響が世界的な規模で広がっていく社会のなかで、自国の文化を基盤として他国の文化にも目を向けながら錯綜した紛争を処理していくために、いったい、なにをすればよいのでしょうか。すなわち、現代に生きるわたくしたちにあっては、豊かな教養を背景にみずから問題を発見し解決していこうとする力の涵養が喫緊の課題となっているのです。

本学が掲げているプロジェクト・リテラシーは、提案した企画を遂行するのに必要な技術だけを対象にしているわけではありません。本学では、計画の協動的な成就に欠かせないコミュニケーションの力のみならず、計画を適切に運営したり情報と危機を管理したりするための能力も含めて、ことがらを総合的に把握し適切な判断を下せる良心に着眼し、それをプロジェクト・リテラシーとして捉えています。PBLの学びを通じて、このような良心を手腕に運用する人物の養成に注力していきたいと考えております。

しかしながら、良心の醸成は、大学教育だけでは十分ではありません。小学校から大学に至るまでのさまざまな教育機関ならびに地域との協力が重要になってきます。それゆえ、本センターの活動は、学内に留まらず、他大学との連携はもちろんのこと、教育に携わる組織との結びつきを前提にしています。PBLは、地域が保有している教育的な資源の積極的な活用にも開いています。本センターでは、大学が地域にあることを踏まえ、地域にも根ざした大学として地域の教育力を大学のなかで生かしたい、と考えています。教職員と学生のみなさまを始め、企業、団体、地方自治体、地域のみなさまにおかれましては、本センターの開設の趣旨と目的をご理解いただき、本センターの営為にご支援ならびにご協力を賜りたく伏してお願い申しあげます。

2018年9月
PBL推進支援センター長  新 茂之(あたらし しげゆき)

PBL推進支援センター長
新 茂之(あたらし しげゆき)