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PBL教育フォーラム2014

PBL教育フォーラム2014 「アクティブ・ラーニングにおける学習支援について考える
-学習支援者としての学生の役割と、その可能性-」
【2014年11月8日開催】

開催報告

2014年11月8日(土)、今出川キャンパス良心館104教室において、同志社大学PBL推進支援センター主催・株式会社SIGEL共催によるPBL教育フォーラム2014「アクティブ・ラーニングにおける学習支援について考える-学習支援者としての学生の役割と、その可能性-」を開催した。当日は、大学関係者を中心にその他教育機関の教員、職員、学生、企業関係者など、150名ほどの参加者( 参加者内訳 [参加者内訳 [PDF 289KB]] )があった。
PBL教育フォーラム2014
まず、同志社大学副学長・教育支援機構長・真山達志政策学部教授より、本学全学共通教養教育科目「プロジェクト科目」の紹介と、本日の「PBL教育フォーラム2014」開催の経緯についての説明が行われた。同志社大学では、平成16年度より、「社会の教育力を大学に」をスローガンに掲げ、幅広い学びの保証を提供する科目として、テーマ公募制度を導入した「プロジェクト科目」を正課科目として設置するとともに、PBL(Project-Based Learning)の研究機関であるPBL推進支援センターを2009年度に設置し、PBLの課題や可能性について情報共有する機会として、「PBL教育フォーラム」を開催していることと、株式会社SIGEL共催のもと、本年度は4年目を迎えたことへの謝辞が述べられた。

続いて登壇した同志社大学PBL推進支援センター長・山田和人文学部教授からは、昨今、アクティブ・ラーニング(Active Learning、以下AL)への期待の高まりとともに、各高等教育機関では多様なALが導入されているが、これらALにおける学習支援者についての議論は充分とはいえないのが現状である。学習者の能動的な参加を促すALという授業形態において、TA/SA/LA(Teaching Assistant/Student Assistant/Learning Assistant)を学習支援者と位置づけた時に、彼らの役割とは何か、さらなる可能性として何が秘められているのかについて、教員・職員・学生などALに係る全ての関係者で、本テーマについてともに考える機会として、本日のPBL教育フォーラム2014開催に至ったとの主旨説明があった。
第1部では、聖路加国際大学、京都造形芸術大学、関西大学、同志社大学の、各大学教職員からALの取組内容と学習支援者の役割についての紹介、各大学のTA/SA/LAから学習支援の具体的事例と学習支援者として学んだことについて報告がなされた。
聖路加国際大学:Team based learning(周産期看護学)
取組概要/聖路加国際大学看護学部准教授・五十嵐ゆかり氏
学生による報告/堀井桃氏(看護学部4年・周産期看護学)
聖路加国際大学ウィメンズヘルス・助産学領域では、2013年度の新カリキュラムの導入を契機に、TBL(Team-based learning)を取り入れた。1クラスを6名程度のチームに分けて、自宅での予習を基礎に、個人学習とチーム学習を応用する学習形態である。堀井氏からは、TBLは積極性があがる高い学習効果があり、チーム学習により責任感・達成感・団結力を体感し、実習に繋げることができる。予習は大変であるが、クラスの仲間が“学習支援者”として常に支えてくれた。TA/SA/LAといった制度は確立されていないが、チームの仲間は、学ぶ仲間であると同時に自分の学習を支え励ます存在であり、メンバー同士がそれぞれ学習支援者の立場にあると言えるとの報告があった。TBL型授業を経験した先輩として後輩へのビデオレターを作成するなど、後輩を導く立場から発表が行われた。
PBL教育フォーラム2014
PBL教育フォーラム2014
京都造形芸術大学:リアルワークプロジェクト
取組概要/京都造形芸術大学教学事務室教学支援グループ・プロジェクトセンター課長補佐・北村英之氏
学生による報告/吉田瑞希氏(大学院芸術研究科芸術表現専攻総合造形領域修士課程1年・2013年度TA)
リアルワークプロジェクトは、企業・行政等から提案されたプロジェクト(仕事)に対して、全学年・全学科、正課と課外がリンクしながら取り組むプロジェクトである。2010年よりTAを補助職員として活用する制度を導入し、ミーティング進行、技術指導、学生・教員との橋渡し的役割、クライアントとの連絡・渉外などを業務として行っている。TAは原則プロジェクト経験者であり、慣習的に前年度TAが次年度のTA候補を指名する。吉田氏からは、TAはプロジェクト(仕事)の質の向上を目標としながら、教員、職員、学生との信頼関係を築き、関係者の垣根を低くすることが大切だと実感したと述べた。TAはプロジェクトの裏方として、また、伴走者として常に学生に寄り添うことを心がけているとの報告があった。
PBL教育フォーラム2014
PBL教育フォーラム2014
関西大学:Learning Assistant
取組概要/関西大学教育推進部教授・教育開発支援センター副センター長・三浦真琴氏
学生による報告/山本綾香氏(文学部総合人文学科国語国文学専修(国語学コース)4年・LA)
初年次学生を主な対象としたスタディスキルゼミなどの科目において、能動的な学習者を育てるために「学生とつくる・学生がつくる・学生が支える」授業を展開している。学生の主体的関与を支援するのがLA(ラーニング・アシスタント)である。学生を中心に据え、learningを軸とする新しいパラダイムを迎えた今、教師は“how to teach”ではなく“what (not) to teach”を十分に勘案する必要がある。教師側にかかる変化あってこそLAの存在が重要な意味を帯びる。
「LAの役割を模索しているうちに学生から目が離れてしまったことがある」。山本氏は自身の経験を省察した上で「高校までの学びと大学での学びの違いになじめず、授業を博物館の展示物のように見てしまう学生が多い。その先には間違いなく学ぶ楽しさがある。そこに向かって学生と一緒に歩いていきたい」と述べた。

PBL教育フォーラム2014
PBL教育フォーラム2014
同志社大学:「プロジェクト科目」SA/TA制度
取組概要/同志社大学文学部教授・プロジェクト科目検討部会長・伊達立晶
学生による報告/木村貴幸氏(政策学部政策学科4年・2013年度SA)
2006年度からPBLに基づく「プロジェクト科目」を全学共通教養教育科目として設置し、プロジェクトをサポートする役割としてTA/SAを各クラスに1名配置している。TA/SAは学生であると同時に、教育に関わる一員と位置づけし、TA/SA協議会も組織されている。大学における一般的なTA/SA業務の他に、学生への助言や授業への出席促進、授業日ごとの活動報告書の提出や学生成果報告書への寄稿などを行う。木村氏からは、SAはプロジェクトを俯瞰的な視点で見守る、スポーツで言うならばマネージャーやスコアラーのような存在であり、それだけに、プロジェクトを推進するための準備を整えることの重要性や、プロジェクトの学術性を高めるよう、学生と学びとを結び付ける存在であることの大切さが語られた。
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教育フォーラム2014
第2部では、「アクティブ・ラーニングにおける学習支援について考える-学習支援者としての学生の役割と、その可能性-」をテーマに、山田和人PBL推進支援センター長のコーディネートのもと、第1部で発表した各大学の学生4名によるパネルディスカションが行われた。
まず、第1部の発表の中で気になった点について、パネリスト間で問いを発するところから始まった。
各大学独自の授業形態、学習支援のスタイルの相違を認識しながらも、学生のモチベーションをどう維持するか、そのためには学習支援者としてどう働きかけるかなど、身近な話題から意見交換が行われた。さらに、学生が口に出せない疑問を、学習支援者としてどう引き出せばよいか、学生には何をどこまで寄り添えばよいのか、参加メンバーが安心して議論できる場を作るにはどう働きかけるかに話が及んだ。
PBL教育フォーラム2014
質疑応答では、「学習支援者は金魚鉢の金魚を外から眺めるような姿勢を求められるのか」という質問について、「見守るだけでなく、常に学生に、そこから飛び出す可能性を語りかける」との答えが返り、また、「AL学習支援者としての経験が、一般的な講義形態でも汎用性を持つのか」という質問には、反転授業など変容する教育スタイルに対応できる可能性を述べるなど、壇上の学生諸君がTA/SA/LAを経験することで、学習支援者としての意識を持ちながら教育に携わり、成長していく姿に直面する場面もみられた。多様化する教育現場において、学習支援者としての学生を育む条件や環境が整備されることを願ってフォーラムは閉会となった。

教育フォーラム2014 教育フォーラム2014 教育フォーラム2014

教育フォーラム2014の成果

今回は、PBLから範囲を広げて、課題を自ら発見して取り組み、意欲的・主体的に学んでいく教育の形態をもつALを対象としている。したがってその授業形態には様々なタイプがあり、第1部ではそれぞれの取り組みに対しての学習支援体制の違いが浮き彫りとなった。第2部では、それらの学習支援に関わる学生が、取り組みを超えて互いに意見を交わし議論を深めた。これら本フォーラムをとおして見えてきた、「学習支援者としての学生の役割と、その可能性」について、以下にまとめてみたい。
学習支援者としての役割
1) ALは通常の講義とは違い、様々なことに対して意思決定をしたり、情報をまとめたりする場として授業が存在している。したがってその場で議論ができるだけのチーム作りとチームで取組まなければ解決しない課題設定が必要となる。そこには、それらチームや課題に対する「愛着」が大事になってくるが、その一歩手前で立ち止まっている学生をその場に引っ張り上げる役割が必要である。

2) ALにおいて、身に付けてほしい力のひとつに、「問いかける力」がある。問いかけに対して答えが返ってこない学生の大半は、何がわからないのかがわからない状態にある。そこで何がわからないのかを引き出し、問いかけに対して答えが返ってくる、そして自らも問いかけるという関係性をどう築くのかが重要である。その信頼関係なしに、安心して議論ができる場は作れない。状況をそばで見ながら上手く働きかけ、議論につながるきっかけを与える役割が必要である。

3) ある程度学びをサポートする立場であると広く解釈をすれば、「寄り添う」だけでなく、様々なものを仲介する「つなぐ」役割が必要である。「つなぐ」役割について、パネルディスカッションの中でパネリストからは「大学と臨床現場」「学生と学び」「メンバーとリーダー」「メンバーと教職員」「取り組みに対する義務感と気持ち」といった4者4様の答えがあったように、学習支援者には、ひとつの事柄だけを求めるのではなく、多角的・総合的な視野を持つ力が求められる。

学習支援者としての可能性
ALでの学びをサポートしていく中で、多角的・総合的な視野を持って学生と向き合い、教員とも向き合って、時にはアドバイスも行うような場面が実際に行われているのであれば、恐らくそれは彼ら自身が既に「評価者」であるからであろう。彼ら学習支援者が「評価者」として自分自身を自覚し、経験を積み重ねていく中で、困難にぶつかった時の対処法を学び、自らが関わっていくプログラムを俯瞰できるところまで成長が及んでいるところが見えたことは、今回の教育フォーラム開催にあたっての大きな成果であり、そこに教員と共に学生の学びをコーディネートしていく、学習支援者としての可能性を見出すことができた。

アンケート結果 [PDF 317KB]

開催概要

PBL教育フォーラム2014ポスター [PDF 1.9MB]

2014年度同志社大学PBL推進支援センター事業に係るPBL教育フォーラムを開催します。

本教育フォーラムでは、学生の自主的な学びを目指すアクティブ・ラーニングにおいて、学生は学習支援者としてどのような役割を担い、さらなる可能性を秘めているのか、他大学の事例とともに議論を深めます。

参加ご希望の方は、2014年11月4日(火)までに、本ホームページ内「参加申込みフォーム」、またはFAXにてお申込ください。
※先着100名受付
テーマ「アクティブ・ラーニングにおける学習支援について考える
  -学習支援者としての学生の役割と、その可能性-」
プログラム12:30 受付開始

13:00~ 開会
 開会挨拶 真山 達志/同志社大学 教育支援機構長・政策学部 教授
 趣旨説明 山田 和人/同志社大学 PBL推進支援センター長・文学部 教授

13:10~
第1部<教員・学生による取組紹介>
 聖路加国際大学 Team based learning
 京都造形芸術大学 リアルワークプロジェクト
 関西大学 ラーニング・アシスタント
 同志社大学 プロジェクト科目 スチューデント・アシスタント 

15:30~
第2部<学生によるパネルディスカッション>
 「アクティブ・ラーニングにおける学習支援について考える
      -学習支援者としての学生の役割と、その可能性-」
 ・聖路加国際大学・京都造形芸術大学・関西大学・同志社大学
 コーディネーター
  山田 和人/同志社大学 PBL推進支援センター長・文学部 教授

16:30 閉会

17:00~ 懇親会
主催同志社大学PBL推進支援センター
共催株式会社SIGEL

※プロジェクト科目の詳細な取組については プロジェクト科目(オリジナルサイト) でご案内しています。

お問い合わせ

PBL推進支援センター

同志社大学 教育支援機構 教務部 今出川校地教務課内
TEL:075-251-4630
FAX:075-251-3064
E-mail:ji-pbl@mail.doshisha.ac.jp
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